どのような仕事であれ、その分野に特化した人材というのは重宝されるものですよね。
医療の現場なら、例えば医師と一言で言ってみても、内科医、外科医、精神科医、歯科医、眼科医など様々な分野があります。
医師であればある程度、どの分野にも共通する基本的な知識を有してはいますが、その範囲を超える専門的な治療や知識と言うことになれば、どうしても専門の壁というものがあり、専門外の分野に関する知識や技術には限りがあるものです。
それはナースに関しても同様で、一言に看護師と言っても、担当する診療科によって必要になる知識、技術が異なります。
専門看護師とは?
ある特定の分野に特化し、様々な専門的知識や技術を有していると認定された看護師には、専門看護師としての資格が与えられます。
専門看護師として認定される分野には、精神看護、ガン看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、成人看護、クリティカルケア看護、感染看護などがあります。
これらをジャンルに区分けすれば、精神病、ガンを含めた生活習慣病医療、小児医療、婦人病医療、介護医療、感染症医療などということになります。
認定看護師との違い
専門看護師とよく似た資格に「認定看護師」があります。この2つには、(名前はよく似ていますが)はっきりとした違いがあるので、それを押さえておきましょう。
認定看護師は、より臨床に近い立場の資格と言われています。そして、より細かい分野に分かれています(2012年現在で21分野)。
一方で、専門看護師になると、看護の知識や技術に加えて、マネジメントの要素が強くなります。ですから、施設内での活動領域は、専門看護師のほうが広くなります。
専門看護師の「価値」
今の高度に専門化した医療(また看護)の世界で、何でもできますというナースより、一つの分野に特化して経験を積んだナースのほうが、雇う側からみた価値は高いと言えます。
「何でもできる」は「何もできない」と同じというのは、看護師の転職においてもある程度、真実と言えるでしょう。
専門看護師としての資格を有していれば、転職市場における自身の価値を高めることができ、ほかのナースと比較して、転職を有利に進めることができます。
専門看護師になるには
専門看護師となるためには、下記の条件を満たす必要があります。
- 看護系大学の修士課程修了者で、日本看護系大学協議会が定める特定分野のカリキュラム26単位を取得していること
- 実務経験5年以上、うち3年以上は専門看護師分野での実務経験
この条件をクリアすることで、認定審査資格が与えられ、専門看護師としての審査を受けることが出来るようになります。
また、専門看護師として資格を取得した後にも、5年周期で資格の更新が必要になります。
専門看護師は、一度取ればOKという資格ではなく、高い知識、経験、技術を維持し続けることが必須になります。
その分、専門看護師の評価は高く、医療分野では重宝される資格でもあります。
ナースを生涯の仕事と考えているのであれば、自分がどの分野の専門性をみがくのかをしっかりと見定め、技術や知識を貪欲に吸収するのがよいでしょう。
そして、専門看護師の取得を目指してみるのはいかがでしょうか?